外反母趾は靴だけが原因じゃない?理学療法士が「足全体」から原因と対策を解説
「親指がだんだん外側に曲がってきた」
「外反母趾はハイヒールを履いていたから?」
「親指が痛いから、親指をどうにかすればいい?」
外反母趾というと、どうしても「親指の問題」というイメージがあると思います。
確かに外反母趾は、足の親指(母趾)が外側へ傾き、付け根の部分が内側に突出してくる足の変形です。
しかし、理学療法士として足をみるとき、mozuttoでは親指だけを見て判断することはありません。
なぜなら、外反母趾には靴だけでなく、遺伝的な要素や足の形、扁平足、足部の動きなど、さまざまな要因が関係しているからです。
大切なのは、
「親指が曲がっている」ではなく、「なぜ、この足では親指に負担がかかっているのか?」
というところまで考えることです。
外反母趾は「ハイヒールのせい」だけではありません
「外反母趾になるのは、ハイヒールを履いていたから」
と思っている方も多いかもしれません。
確かに、つま先の狭い靴やハイヒールは、外反母趾と関連する要因のひとつです。
2026年に報告された論文でも、つま先の狭い靴やハイヒールを履くことと外反母趾との関連が報告されています。
しかし、靴だけですべてを説明できるわけではありません。
外反母趾は、
- 遺伝的な要素
- 足の骨格や形
- 扁平足
- 足部の過回内(オーバープロネーション)
- 第1列(親指側の足部)の安定性
- 年齢
- 靴の形や履き方
など、さまざまな要素が関係する多因子性の変形と考えられています。
「ハイヒールなんてほとんど履いていないのに、なぜ外反母趾になったんだろう?」
という方がいるのも、不思議なことではありません。
外反母趾には「遺伝」も関係します
実は、外反母趾には家族歴との強い関連が報告されています。
「母親も外反母趾だった」
「祖母も親指が曲がっていた」
という方も少なくありません。
ただし、
「遺伝するから必ず外反母趾になる」
という意味ではありません。
もともとの足の形や関節の特徴などに、靴や身体の使い方、加齢などさまざまな要素が重なっていくと考える方が自然です。
親指だけではなく「足全体」を見ることが大切
ここがmozuttoで特に大切にしているポイントです。
外反母趾は親指に変形が見えるため、どうしても親指だけに目が向きます。
しかし、立ったり歩いたりするときには、
かかと → 足部中央 → 前足部 → 親指
と、足全体が連動しています。
そのためmozuttoでは、親指の角度だけではなく、
- かかとの向き
- 後足部の動き
- 土踏まずの状態
- 扁平足の有無
- 足部の回内・回外
- 親指の動き
- 足首の可動性
- 立ったときの荷重
- 歩行時の足の使い方
などを確認します。
特に注目したいのが、後足部(かかと側)の動きです。
「かかとの捻れ」が親指側にも影響することがあります
立ったり歩いたりするとき、足は地面からの衝撃を吸収するために適度に動きます。
そのひとつが回内(プロネーション)と呼ばれる動きです。
回内そのものは悪い動きではありません。
ただ、その動きが大きすぎたり、適切なタイミングで足が安定できなかったりする状態は、一般にオーバープロネーション(過回内)と呼ばれることがあります。
かかと側の後足部が大きく動くと、土踏まずや前足部にも動きが連鎖します。
つまり、
親指に変形が見えていても、その背景には「かかとから始まる足全体の動き」が関係している可能性がある
ということです。
外反母趾と扁平足・足部の回内との関連は研究でも報告されていますが、すべての外反母趾がオーバープロネーションによって起こるという意味ではありません。
だからこそ、その人の足を実際に見て判断することが重要です。
「扁平足だから外反母趾」でもありません
これもよくある誤解です。
外反母趾の方には扁平足がみられることがありますが、
扁平足=外反母趾になる
という単純な関係ではありません。
実際には、
「土踏まずが低い足」
「かかとが内側へ倒れやすい足」
「前足部の形に特徴がある足」
「足部が比較的硬い足」
など、足のタイプは一人ひとり違います。
そのため、
「外反母趾にはこの運動」
「扁平足にはこのインソール」
と全員に同じものを当てはめるのではなく、その人の足の特徴に合わせて対応する必要があります。
外反母趾は「親指を広げる」だけでいい?
外反母趾対策として、
「親指を広げる」
「足指の体操をする」
「外反母趾用のサポーターをつける」
といった方法を目にすることも多いと思います。
それらが症状に応じて役立つことはあります。
しかし、親指だけを広げても、立ったときや歩いたときに足全体へかかる負担が変わっていなければ、十分ではないこともあります。
そのためmozuttoでは、
「親指をどうするか」ではなく、「この足が立ったとき・歩いたときにどう動いているのか」
を大切にしています。
インソールも「入れればいい」わけではありません
外反母趾や扁平足があると、
「インソールを入れてみようかな」
と考える方もいると思います。
インソールは、足にかかる負担や足部の動きをサポートする選択肢のひとつです。
なぜインソールを使うのでしょうか?
目的のひとつは、その人の足の特徴に合わせて、立つ・歩くときの足部の動きや負担をサポートすることです。
足の形は、一人ひとり違います
同じ「外反母趾」でも、
- かかとの向き
- 土踏まずの高さ
- 前足部の形
- 関節の柔らかさ
- 荷重のかかり方
- 普段履いている靴
- 仕事やスポーツ
は一人ひとり違います。
そのため、足に痛みや変形がある方では、市販の既製インソールがその人の足に十分合わないこともあります。
大切なのは、
「柔らかいインソールを入れること」でも、「土踏まずを高く支えること」でもありません。
その人の足の特徴を評価したうえで、
どこを支え、どのように足の動きをコントロールする必要があるのか
を考えることです。
そして、インソールは「何を使うか」だけでなく、どのように評価し、どのように作るかも重要です。
mozuttoではアメリカ足病医学の考え方に基づいたオーダーメイドインソールをご提案しています
mozuttoでは、外反母趾や扁平足などの足のお悩みに対して、足だけを見るのではなく、立位や歩行を含めて身体の状態を確認します。
必要に応じて、
NWPL(Northwest Podiatric Laboratory)の考え方に基づいたオーダーメイドインソール
をご提案しています。
NWPLは1964年の創業以来、アメリカの足病医学の領域で足底装具を開発・製造してきたメーカーで、アメリカ足病医学の足部バイオメカニクス理論を背景に、一人ひとりの足の状態に応じたフルカスタムメイドのファンクショナルオーソティックスを製作しています。
mozuttoでは、
「外反母趾だから、このインソール」
と決めるのではありません。
足の形や動き、後足部の状態、立ち方、歩き方などを確認したうえで、その方の足に必要なサポートを考えます。
「親指」ではなく「足全体」から考えてみませんか?
外反母趾が気になったとき、目に見えるのは親指です。
でも、その親指には、
かかと、土踏まず、前足部、足首、そして歩き方まで、足全体の影響が集まっています。
だからこそ、
「親指だけ揉む」
「親指だけ広げる」
「とりあえず外反母趾用のインソールを入れる」
その前に、
自分の足がどのような形をして、どのように動いているのか
を一度確認してみることをおすすめします。
mozuttoでは、理学療法士が足の状態や動きを確認し、施術や運動、靴の選び方、必要に応じてオーダーメイドインソールまで、足の特徴に合わせてご提案します。
「外反母趾がだんだん気になってきた」
「歩くと親指の付け根が痛い」
「扁平足も気になる」
「市販のインソールを使っているけれど合っているのか分からない」
そんな方は、一度ご自身の足を詳しく見てみませんか?
外反母趾を見るとき、大切なのは親指だけではありません。
足全体を知ることから、対策は始まります。
参考資料
- Factors Related to the Etiology of Hallux Abducto Valgus: A Systematic Review, 2026.
- Determinants and associated factors for hallux valgus: a systematic review and meta-analysis, 2026.
- Colò G, et al. The efficacy of shoes modification and orthotics in hallux valgus deformity: a comprehensive review of literature, 2024.