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産後のお腹が戻らないのはなぜ?腹筋を始める前に知ってほしい身体の変化

マタニティ・産後

産後のお腹が戻らないのはなぜ?腹筋を始める前に知ってほしい身体の変化

「出産してしばらく経ったのに、お腹が戻らない」

「体重は戻ってきたのに、下腹だけぽっこりしている」

「そろそろ腹筋を頑張ったほうがいいのかな?」

産後、このように感じているママは少なくありません。

でも、産後のお腹が戻らない=腹筋が弱くなったからと単純に考える必要はありません。

理学療法士として産後の身体をみていると、お腹の変化には、妊娠・出産による腹部の変化だけでなく、呼吸や骨盤底筋、姿勢、日常生活での身体の使い方など、さまざまなことが関係しています。

だからこそ、いきなり腹筋運動を頑張る前に、まずは今の身体がどうなっているのかを知ることが大切です。

妊娠中、お腹の筋肉は大きく変化しています

妊娠中は赤ちゃんの成長とともに子宮が大きくなり、それに合わせて腹部の筋肉や結合組織も長期間にわたって引き伸ばされます。

その中でみられるのが、腹直筋離開(ふくちょくきんりかい)です。

腹直筋離開とは、お腹の中央にある白線という組織が伸び、左右の腹直筋の間が広がった状態のことです。

妊娠中にはよくみられる身体の変化で、産後に自然に改善していく方も多くいます。NHSでも、妊娠に伴う腹部の筋肉の離開は一般的で、多くは産後8〜12週ほどで改善していくと説明されています。

ただし、

  • お腹の中央が盛り上がる
  • 力を入れるとお腹がドーム状になる
  • 腹部に力が入りにくい
  • お腹の違和感が続く

といった場合には、身体の使い方も含めて確認していくことが大切です。

「骨盤だけ整えればいい」わけではありません

産後というと、

「骨盤が開いているから戻さなきゃ」

「骨盤を整えればお腹も戻る」

と思う方もいるかもしれません。

ですが、産後の身体の変化を骨盤だけで説明することはできません。

お腹の筋肉、骨盤底筋、背中、股関節、呼吸、姿勢、そして抱っこや授乳などの日常動作。

これらはそれぞれ独立しているのではなく、身体全体の中で関わり合っています。

妊娠・出産では骨盤底筋にも大きな負担がかかりますが、骨盤底筋だけを強くすればよいわけでもありません。

大切なのは、お腹・骨盤底・呼吸を含めて、身体全体がどのように使えているかを見ることです。

産後のお腹で大切にしたい「呼吸」

私が産後の身体をみるときに、まず大切にしていることのひとつが呼吸です。

呼吸では横隔膜だけが動いているわけではありません。

横隔膜や腹部の筋肉、背中側の筋肉、骨盤底筋などが関わりながら、お腹の中の圧力を調整しています。

そのため産後すぐに、

「とにかく腹筋を鍛えよう!」

と強い運動を始めるよりも、

  • 呼吸を止めずに身体を動かせるか
  • 息を吐いたときにお腹がどう動いているか
  • 力を入れたときにお腹が過度に盛り上がっていないか
  • 骨盤底に負担を感じていないか

などを確認することも大切です。

最近の研究でも、呼吸を取り入れた体幹トレーニングによって、産後の腹直筋離開の改善がみられた報告があります。ただし、腹直筋離開に対して「この運動が一番よい」という方法は、まだ確立されていません。

だからこそ、一つの運動を全員に当てはめるのではなく、その人の身体に合わせて進めることが大切だと考えています。

産後の運動は「順番」を大切に

産後の身体の回復には個人差があります。

同じ「産後3か月」でも、

  • 経腟分娩か帝王切開か
  • 妊娠・出産時の経過
  • 会陰や骨盤底の状態
  • 腹直筋離開の状態
  • 腰痛や尿もれなどの症状
  • 睡眠や授乳の状況
  • 育児や仕事などの生活環境

によって、適した運動は変わります。

そのため、

「産後○か月だから、この運動をしなければいけない」

と考える必要はありません。

一例として、

呼吸・身体の状態を確認する

やさしい体幹運動

全身を使った運動

より負荷の高い筋力トレーニングや運動

というように、その時の身体に合わせて段階的に戻していきます。

腹筋運動そのものが悪いわけではありません。

大切なのは、「今の身体に、その負荷が合っているか」です。

産後のぽっこりお腹は「お腹だけ」を見ない

産後のぽっこりお腹が気になると、どうしてもお腹だけに目が向きます。

でも実際には、

  • 呼吸の仕方
  • 背中や股関節の動き
  • 姿勢
  • お腹への力の入れ方
  • 骨盤底筋の働き
  • 抱っこや授乳姿勢
  • 立ち上がりなどの日常動作

なども関係します。

だからこそ、

「骨盤だけ整える」
「お腹だけ鍛える」

ではなく、身体全体を見ながら整えていくことを大切にしています。

「お腹をへこませるために何をすればいい?」ではなく、

「今の自分の身体は、どう使えている?」

という視点から始めてみてください。

子育てを続けていくママ自身の身体も大切に

産後は、赤ちゃんのお世話が生活の中心になります。

自分の身体のことは、つい後回しになってしまいますよね。

でもこれから、何度も抱っこをして、一緒に遊んで、子どもの成長を見守っていくのもママの身体です。

子育ては長く続きます。

だからこそ、子どものために頑張り続けるためにも、まずママ自身の身体を大切にしてほしい。

「自分の身体をケアすること」も、子育てのひとつだと思っています。

mozutto安積店で産後の身体をサポートしています

mozutto安積店では、理学療法士・ヨガインストラクターが身体の状態を確認しながら、産後のボディメンテナンスやパーソナルヨガを行っています。

お腹だけ、骨盤だけを見るのではなく、

  • 腹部の状態
  • 呼吸
  • 骨盤底筋
  • 姿勢
  • 関節の動き
  • 日常生活での身体の使い方

などを確認し、今の身体に必要なことを一緒に考えていきます。

「腹筋を始めたほうがいいのかな?」

「産後のお腹がなかなか戻らない」

「自分に合った運動が分からない」

「一度、自分の身体をちゃんと見てもらいたい」

そんなときは、まず今の身体を知るところから始めてみませんか?

身体の状態を確認しながら、どこに負担がかかっているのか、これから何をすればいいのかを分かりやすくお伝えします。

産後の身体は、ただ「元に戻す」のではなく、これからの子育てや生活に向けて整えていく身体です。

戻し方には、順番があります。

焦らず、今の自分に合った一歩から始めていきましょう。

気になる症状がある場合は医療機関へ

腹部や骨盤周囲の強い痛み、出血、発熱、傷の異常、強い尿もれや排尿・排便の問題、骨盤臓器脱を疑う症状などがある場合には、セルフケアだけで済ませず、産婦人科などの医療機関へご相談ください。

参考資料

  • NHS『Your post-pregnancy body』
  • NHS Pelvic Health Physiotherapy『Your stomach muscles after birth』
  • Michalska A, et al. Diastasis recti abdominis — a review of treatment methods. Ginekologia Polska.

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